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酔蟹

  • 概要

酔蟹は、600年の歴史を持つ江蘇省興化市の伝統料理であり、江南地区全域で流行している。

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<写真1、ジャーで漬け込み中の蟹>

 

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<写真2、料理で出される酔蟹@杭州天伦里餐厅>

  • 作り方

作り方は、新鮮な蟹を洗浄し、紹興酒、塩、醤油、花椒、生姜、白砂糖を入れて漬け込む。
見た目は新鮮な蟹とあまり変わらないが、肉質が繊細で、蟹の風味の中にお酒の濃厚な香り、繊細な甘さを感じられる。

  • 歴史

1369年、中国は明の時代に、現在の安徽省宜州市に住んでいた童氏によって発明された。
童氏は安徽省から興化市に引っ越し、園芸の仕事を行っていた。
家の前にある湖とその周辺の河川は広大で、水も澄んでおり、毎年の重陽節前後で
肉質が上質な青い甲羅の蟹を大量に収穫する。
新鮮な蟹の販路があまりなかったために、漁民は十分な収入を得られなかった。
そこで、童氏はこの蟹を中国の各地に行商することで漁民を助けようと考えた。
行商の中で売れ残った蟹の賞味期限を延長し、損失を減らす方法を考える。
既に確立されていた酔エビ、酔貝の手法をヒントにして、自分で醸造した米酒などに蟹を漬けてみた。
新鮮な蟹と全く異なる濃厚な風味は瞬く間に話題となり、酔蟹は童氏の住所を参照し、
中庄酔蟹とも呼ばれるようになった。
現在、童氏は19代となり、北京で童徳大商貿有限公司を設立し、伝統的な製造工程とレシピを継承している。